製法について

最近ではフランスなど海外で修行された経験を持つ職人さんが増えてきていて、いろいろな製法や経験を持ち帰ってくれています。ありがたい事だと思っております。  パンやケーキを作る製法も日進月歩の勢いで進化しています。特にケーキは次々と新しい材料 新しい機材 それに合わせた新しい製法が生まれていて本当に感心しております。  その一方で、時代に流されず昔ながらの伝統製法を頑なに守り愛され続けているお店もあります。  本当にすごい事です。

 

私は、フランスの修行経験も都心の人気店での修行経験もありません。

 

当店の製法は、材料ひとつひとつの役割をしっかり理解した上で さらに掘り下げていく製法を採っております。 

 

例えばジェノワーズ(スポンジ生地)のお砂糖の役割は、甘味だけではありません。卵の泡立てを補助し、焼き色・焼き時間を左右します。そうなると必然的にボリュームや水分量が変わってきます。 薄力粉は骨格となりスポンジ生地を支えます。バターは風味とともにしっとり感を与え劣化を遅らせます。 

 

その中で当店のジェノワーズは、お砂糖は少な目、薄力粉は基本配合の約半分です。起泡が弱いのでゆっくり低速で泡立て、細かくキメの整った生地を作り、骨格となる薄力粉が少ないので柔らかい食感になり、卵とバターの風味がより強く出る製法になっています。

詳しくいえばもっと長くなりますが、今後 少しずつ紹介して行きたいとおもっております。

 

私は次々に生まれる新しい製法に対応できるほどの経験や技術もないので、既存の製法を製菓理論に基づき掘り下げて、理想とする食感・味を目指して行きたいと思っております。

 

添加物や香料でごまかさない、身体に優しいパンやケーキを作っていきたいと考えております。